社員のマネジメントスキルと企業経営についての提言 4

5.社員のマネジメントスキルと業務変革などの取組みにも関係があります

長時間労働対策、ワークライフバランス、業務革新活動、ダイバシティやCSなどの様々な取組みがありますが、それらの取組みが順調にいっている組織はほと んどないといっても良い状況だと思います。今回、スキル診断のデータを精査する中で、ストレスとマネジメントスキル以外にも関係性のあることがいくつかわ かってきました。
その一つが社員のマネジメントスキルの状態と様々な組織的な取組みの相関関係です。
グラフは長時間労働対策が上手くいっていなかったときの東北日本電気の社員のスキルの状態と上手くいくようになったときのスキルの分布状態です。
マネジメントスキルが低い層(入門、6級、5級)が50%を越しているときは取り組みの成果は期待できませんが、50%を切ってくると成果が期待できる事がわかりました。その意味では水曜ノー残業ディの取組ではなくスキルアップの取組みが重要だということです。
スポーツにたとえればよくわかると思います。今年はサッカーのワールドカップです。
サッカーの試合に勝つにはピッチ上の11人がしっかりとトラップとパスができなければ試合にすらなりません。マネジメントスキルの低い層はサッカーで言え ばパスとトラップも出来ない状態と考えていただければ良いと思います。様々な組織的な取組みを成就させるためにも社員のスキルアップに注目する必要性と具 体的な目標(5級以下の従業員を50%以下にする)も提示することができます。
ある信用金庫では支店長のマネジメントスキルに注目し、80を超える支店長のマネジメントスキルがあるレベルを超えた段階で、本部主導型のビジネスモデルから支店の裁量重視のビジネスモデルに切り替えて業績を大幅に向上させ事例もあります。

マネジメントスキルと長時間労働の関係

6.健康診断を毎年やるのに社員のスキル診断はどうしてしないのですか?
ここまでお伝えしたところ多くの方にスキル診断に興味をもっていただいたことと思います。私たちは健康を維持するために原則として全員が健康保険に加入し、健康保険は私たちに年に一度の健康診断を行うよう求めています。
それと同じように各自のマネジメントスキルによって各自のストレス状態や生産性に大きな差が生じるだけでなく、組織的な取組みにまで影響が出ることがわ かってきました。更には来年からは50名以上の事業所は毎年従業員のストレス診断を義務付けられます。いわば、健康診断と同じです。どうせやるならスキル 診断も同時に行い、従業員のスキルアップのための環境を整備することも大事だと思います。
それでもまだ、そこまでやる必要はないと感じている方々に一言お伝えします。IT化、情報化社会の到来でまちがいなくビジネス現場は変化してきています。 20世紀はマネジメントスキルがあろうがなかろうがとりあえず頑張れば誰にでも成果の出やすい時代だったと思います。サッカーで言えばとにかく前にボール をければ得点ができた状態です。
しかし、今は違います。仕事が高度化してきただけでなくスピードアップもしてきました。スピード感のある難しい仕事を処理するのには仕事の基礎力は不可欠 です。ところが仕事の基礎力は体系化もされてもいなければ、理論的な研究もされてきませんでした。だからマネジメントスキルの測定も出来なければ、スキル 習得の指導もできなかったということです。
団塊の世代が持っていたスキルがその人に帰属する「専門スキル」とすれば、小協会の提供するマネジメントスキルは専門スキルを下支えする「基礎スキル」と 考える事が出来ます。専門スキルはかつても先輩から伝授してもらっていました。しかし基礎スキルを先輩から伝授されたり、企業研修で勉強した人は皆無のは ずです。そして今の時代はこの基礎スキルが重要な意味を持つ時代になったといえます。パソコンにたとえれば、専門スキルがアプリケーションで、基礎スキル が「OS」といえます。現状の多くの企業は基礎スキルが各従業員の我流です。ですから情報の共有もできなければ、頑張る割には成果が乏しいことになってい ると小協会では考えています。

7.各自のマネジメントスキルの診断で組織風土の傾向もわかります
今回ご紹介している「仕事のしくみ」からの業務診断、スキル診断は各自のスキルの状態を捕捉するだけではありません。階層間の問題、勤務形態間での問題、 部門間の問題なども捕捉することが出来ます。誰にでも、どんな仕事にもあてはまる仕事のしくみからアプローチすると一つのデータを様々な切り口で検証する ことが可能だということです。
私たちの仕事は一人では成り立ちません。この事実だけを考えても一人一人の裁量で仕事を遂行できるとする裁量労働制はロジカルエラーを起こしていると小協 会は考えています。ですから政治的な見地ではなく、あくまでも仕事のしくみで考えると裁量労働制は間違いだと確信しています。
個人のスキルがいかに高くても成果が期待できないことがあります。それはその個人の所属しているチームや組織の状態に大きな影響を受けるからです。仕事のしくみから考えられた各自の業務スキルの判定は、個人とチーム、組織の問題にも寄与することが出来ます。

上 の図は90問のスキル診断の結果を個人のマネジメントスキルとその人間の組織に対する満足度を計数化してプロットしたものです。個人データの1件だけでは 読み解くことは困難ですが、多くの個人データがあれば、全体の傾向値がわかります。この組織では、組織への満足度と個人のスキルが正の相関を示していま す。個人と組織が良好な関係にあることが推察できます。
しかし、なかには負の相関になる組織も出てきます。個人スキルが高い人ほど組織に満足せず、逆に個人スキルの低い人が組織に満足するという組織です。一般的には大企業病とよばれる状態に陥っている組織にあらわれる状態です。
いずれにしましても、各自のスキル状態を把握し、ストレスとの相関を見ることもでき、企業変革が出来る状態にあるかの判断に寄与し、個人と組織の関係性までも把握することができるということです。

8.ぜひとも小協会のマネジメントスキル診断を受診ください
仕事のしくみからマネジメントを考えることで、個人のスキルに焦点をあて、そこから様々な企業活動を可視化出来ることをお伝えしてきました。今回ご紹介したのは、ほんの一例ですがご興味をお持ちいただけたのなら望外の喜びです。
一人一人のスキルアップ、ストレス対策が即企業業績につながるための手法に興味のある方はお問合せください。更なるご説明をさせていただきます。
これからの企業は、社員の健康診断を毎年行うように、社員のスキル診断も行ったほうが良いと確信しています。賛同いただける方々からのお問合せをお待ちしております。
また、開発したばかりのノウハウではありますが、既に三重県庁のワークライフマネジメントの取組みなどでも導入が決定しています。JTBコーポーレート サービスとフェアイノベーションが開発した「リテンションサーベイ」にもこのノウハウは使われており亀田総合病院、横浜総合病院など多くの医療現場でも導 入いただいています。
お問い合わせ先
日本タイムマネジメント普及協会
http://www.jtime.or.jp/
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